終の棲家と決めて慎重に選んだ老人ホームでも、経済的な問題や医療的なケアが必要になって退去しなければならないときがあります。
老人ホームの退去の流れと、返還の可能性のあるお金、支払わなければならない可能性のあるお金についてご紹介します。
また退去の際によくあるのが、入居一時金の返還に関するトラブルです。
このトラブルを回避する方法も合わせてお伝えします。
退去手続きの流れ
老人ホームの退去を決めて次の住居を見つけたら、速やかに老人ホームに伝えましょう。
退去方法はまず、退去予定日の1か月前までにホームに通知するのが一般的です。
その後、清算や退去手続きに入ります。
トラブルになりやすいので、入居一時金の返還や支払いが必要な原状回復の費用について確認しておく必要があります。
入居一時金があるときに返還されるケース
入居一時金は、入居時に老人ホームを終身利用する権利を得るために支払うお金です。
有料老人ホームへの入居に必要で、ホームに預けるお金という扱いです。金額は施設によって異なり、0円から数千万円を超える場合もあります。
入居一時金がない場合は月額費用に上乗せされるため、月額費用が高額になります。
入居一時金は入居時に初期償却がありますが、残りは毎年少しずつ減価償却されます。
そのため途中で退去する場合は、未償却分が戻ってきます。
入居一時金にはクーリングオフが適用されるので、90日以内の契約解除なら入居一時金は全額返還が可能です。
退去時によくあるトラブルと回避方法
老人ホームの退去時にもっともトラブルが発生しやすいのは、入居一時金の返還についてです。
入居時の初期償却は、ホームが利益確保分として差し引いています。
初期償却の金額には統一された基準はなく、ホームによって0%から30%ほどです。
入居一時金の償却期間もホームごとに設定しているので、償却期間が過ぎていれば返還されません。
減価償却の方法には、定額法と定率法があります。定額法は毎月、同じ金額が償却される方法です。
定率法は償却費を一定の割合で減少するように計算する方法で、償却費の計上金額は最初が大きくだんだん小さくなって行きます。
退去時に入居一時金の返還でトラブルにならないように、初期償却の割り合いと償却期間、償却方法を確認しておきましょう。
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